クリント・イーストウッドと「グラン・トリノ」

グラン・トリノ [DVD]



ミリオンダラー・ベイビーではとてもとても切ない思いをしました。なので、クリント・イーストウッドの映画を観るのは少し躊躇していたのですが、もともと大好きなので、前半の彼のいまだに強烈な存在感にとても圧倒されてしまいました。

最初は物語では無く、「クリント・イーストウッド」を観ていました。しかし、少しづつ彼(主人公)の心情に自分自身が同調して行くのを感じていました。これであらためて、日本人でもあちらでも結局「古い人間」の内面は似たようなものだと素直に思いました。

たぶん脚本としても、あちらの人が「クリント・イーストウッド」に共感するように、周りの若い登場人物の人間像を少し誇張して表現しているとも思いますが、それはとても私自身へ伝わって来ました。でなければ、後半への展開は無意味なものへとなるはずですし。

物語に「必然性」を訴えてもそもそもナンセンスなのですが、この物語に矛盾を感じる事は無く、なるようになってしまったラストでは、何故か安堵感に満たされていました。これがミリオンダラー・ベイビーとは一番違ったところで、かつ歳をとったクリント・イーストウッドが描いた人間像にファンとしてとても納得した作品です。



ミリオンダラー・ベイビー [DVD]







レビュー

これは面白いです > 96時間

96時間 [DVD]



正直、96の意味はあんまり無いです。9 と 6 と言う数字のビジュアルとあとなんか意味があるかもです。予告で「気になる」ようにさせる為の心理的な作戦とも取れます。

とにかく、お話的には最初から結末は解っていますし、ただひたすらにこの「父親」の向かう先をずっと見つめてる・・・という感じです。なんですが、これが飽きないし面白いし、少しゾっとしたりもします。

パリがこんな街だったら誰も行かなくなるような内容なので、作り話としての範囲と理解した上でも、かなり心情的には怖さがつのります。

この主人公の顔つきが最初妙に間抜けに見えたのですが、そのうちそんなものは見なくなりました。つまり、人物像にあまり思い入れが起こらないように作られてるいると言うか、冷静に物語の経過を楽しめます。

とにかく、面白いです。


ただ・・・、年頃の娘さんを持つ親父さんは観ないほうが吉です。



トランスポーター

あえてタイトルにバージョンを書かなかったのは、3のレビューが酷評なので。たしかに、このシリーズ的に言えば最初のが大好きで、2はアニメ化ような極端なアクションで笑ってしまった記憶がありますが。3は自分的にはそんなに嫌いじゃないのですが、今どきのファンが求めるレベルってのが高すぎる気はします。

3に出て来る女優は、おそらく日本人には好かれない人だとは思いますが、別にそんな事考えてアクション作品観た事無いのであそこまで酷評されるとはなんだか気の毒です。

トランスポーター3 アンリミテッド [DVD]



しかし、1が一番おもしろかったのは自分もそう思います。3で出て来たかのプリズン・ブレイクでブレイクした俳優は「おっ」と思いましたが、至極単純な悪役としてしか扱われて無かったので特筆すべきは無いですし。

トランスポーター [DVD]



2の香港系アクション炸裂と言った思い切った映像は当時それなりに新鮮ではありましたし、まあ2も3もタクシー4よりはずっとマシと言う事で。

トランスポーター2 [DVD]